トップ・スポーツマンにお願い

日本には「謙譲の美徳」というものがある。それは私も十分に理解している。自分のことを誇ったり、威張ったりしてはいけない。常に謙虚であれということは、大賛成である。そして、私は何が嫌いといっても「威張る奴」が大嫌いである。顔も見たくないし、まして話などしたくもない。

しかし、「謙譲の美徳」といって、伝えなければならないことまで隠していてはいけないと思う。トップにまで上り詰めたスポーツ選手たちが、自分は猛練習をしたとほとんど言わないことが問題である。マスコミや他の人が「あの人は猛練習をした」と伝えても、本人はほとんど猛練習にしては語らない。だから、後に続く青少年は、猛練習ではなく才能があったから成功したのかと勘違いする。それではスポーツ界は、困るのである。

猛練習をし、努力を積み重ねたから、この種目で成功したとならないと、スポーツの良さが伝わらないし、スポーツが文化にもならない。努力をしたこと、猛練習をしてきたことは、大いに周りに伝えてもいいと思う。バスケットのマイケル・ジョーダンはスーパースターであったし伝説になりつつあるが、彼は一貫して「才能ではなく努力だ、俺より練習をした者がいるならいつでも勝負してやる。俺は決して天才ではない」と現役時代から言い続けている。この言葉がアメリカの青少年をどれだけ勇気づけていることか、うらやましい限りである。

それに比べ、日本で成功したスポーツマンは、努力した、もう練習をしたとは、ほとんど言わない。これでは、青少年は夢も希望も持てない。青少年に向かって、努力や猛練習を大切さを伝えるのが、成功した先人の役目だと思うのだが、どうだろう。