文武両立

 

多くのスポーツ種目を生みだしたイギリスでのスポーツの扱いは、さすがである。イギリスを動かすジェントルマンたちを育てるケンブリッジやオックスフォードでは、ラテン語や古典、歴史などと並んでスポーツが必修科目となっている。

 

その考え方は、勉強ばかりやって知識を身につけるだけでは片手落ちで、腕力でも労働者階級に負けてはおけないというものである。そして、スポーツを行なうことによって体力は勿論、協調性や協力、忍耐力、努力、弱者救済、リーダーシップやフォロワーシップなど、様々なことが身につくことを認めている。だから、スポーツは人間教育にとって必要なものとの認識がある。

 

イギリスでは、勉強をしている者たちがそれだけでは片手落ちだろうとスポーツに励んでいる。さて日本を見てみるとどうだろうか。中学生、高校生、大学生とみても、勉強ばかりやっていては人間として成長できないからとスポーツを始めている者がどれくらいいるだろうか。そうなって欲しいと思うものの、現実には勉強は勉強、スポーツはスポーツと分かれているのではないだろうか。

 

そして、スポーツに取り組んでいる中学生から大学生までが、スポーツをやっているから他のことはどうでもいいだろうという態度は許せない。スポーツはそれ自体で素晴らしいのではなく、勉強と両立できてこそ素晴らしいのである。スポーツの現役生活というのは、長い人生で見ればほんの短いものである。それ以降の長い人生を楽しく過ごすためにも、勉強と両立する必要がある。

 

スポーツと勉強、たかだか二つのことである。それくらい両立できないで、何が出来るというのか。スポーツだけと取り組んでいる人は、少しでも勉強を取り入れていくようにしてみよう。その方が、面白いはずである。